久高島へ
2度目に沖縄を訪れたのは夏の終わりの季節で、そのときなんとなく渡ってみた「久高島」の印象が、その後ずっと強く残っていました。
自転車で息を切らせて島巡りをしていた私の目に入ってくる景色は、驚きに満ちていたとも、ずっと以前子供の頃にどこかで見たことがあるようだったもいえるものでした。
9月も終わりとはいえ、沖縄の炎天下裸足でもくもくと畑仕事をするおばあさんの丸い小さな背中、そして照り返しで陽炎の立つような珊瑚砂の道で立ち話をしている今まで聴いたことのない不思議な響きの会話。
自転車を止めると、噴き出した汗が目にも入ってくるような暑さの中で、それらの光景は不思議な映像として記憶に残りました。
それで、久高島へもう一度行ってみようと思いました。
今頃の沖縄は、うりずんと呼ばれる美しい季節です
咲く花と潮の甘い香りを含んだ風が心地よく吹いている、海へと続く細い道を今回もまた自転車で走ります。
月桃の花が咲き、あだんが沢山の実をつけていました。
月桃は自然派化粧品の原料としても栽培されているようです。
あだんの実は最近復活したイラブーの燻製つくりに使われるそうで、そういえば道端に沢山収穫して積み上げられているのを見ました。
島の子供の手作りでしょうか、とてもかわいい魚のペイントが聖地の浜を案内してくれます。
イザイホーで有名なこの「神の島」は、成巫式を経てナンチュと呼ばれる神女に生まれ変わった島出身の女性によって、男兄弟・家や村の繁栄と安全が守られてきました。
島全体がひとつの字となっている久高島では、土地は字の共有財産であり、個人には使用権が与えられているのだそうです。
久高島の人々にとっては土地を所有するという概念は無く、この自然と伝統文化が今も残っているのは、土地という媒体を通じて外部からの資本の流入が行われることなく今日まできたことが大きな理由になるのでしょう。
イラブーの燻製小屋や美しく積み上げられた石塀などを見て回りました。
ごみひとつ落ちていないのは、島全体が聖地という人々の意識の表れでしょうか。
過ごしやすいこの季節に訪れた久高島は、自転車ですれ違った土地の中年の女性の表情も柔らかく、「こんにちは」と交わした挨拶も耳慣れたものでした。
やはりあの原風景のようなシーンは、島のお年寄りだけに作り出せる、そしてやがては時の流れとともに消えていってしまうものだったのかもしれません。
生まれた土地で環境に順応して暮らし、他の場所のことは考えない。
そんな人々の生きた時代がやがて遠い過去の事になってしまうことが、とても惜しいような気がしてなりません。
前回この島を訪れたとき、魚汁を食べました。
港の隣の食堂でメニューに「魚汁」とあったのを見て、「どんなものだろうか、おいしそうだなぁ」と思わず注文してみました。
料理の名前からはどんなものか想像がつきません。
ビールを飲みながら待っていると、「お待ちどうさま」とでてきた器を見て、どひゃーでした。
あとは想像におまかせします。
今回は時間がなくて食べれませんでした。
自転車で息を切らせて島巡りをしていた私の目に入ってくる景色は、驚きに満ちていたとも、ずっと以前子供の頃にどこかで見たことがあるようだったもいえるものでした。
9月も終わりとはいえ、沖縄の炎天下裸足でもくもくと畑仕事をするおばあさんの丸い小さな背中、そして照り返しで陽炎の立つような珊瑚砂の道で立ち話をしている今まで聴いたことのない不思議な響きの会話。
自転車を止めると、噴き出した汗が目にも入ってくるような暑さの中で、それらの光景は不思議な映像として記憶に残りました。
それで、久高島へもう一度行ってみようと思いました。
今頃の沖縄は、うりずんと呼ばれる美しい季節です
咲く花と潮の甘い香りを含んだ風が心地よく吹いている、海へと続く細い道を今回もまた自転車で走ります。
月桃の花が咲き、あだんが沢山の実をつけていました。
月桃は自然派化粧品の原料としても栽培されているようです。
あだんの実は最近復活したイラブーの燻製つくりに使われるそうで、そういえば道端に沢山収穫して積み上げられているのを見ました。
島の子供の手作りでしょうか、とてもかわいい魚のペイントが聖地の浜を案内してくれます。
イザイホーで有名なこの「神の島」は、成巫式を経てナンチュと呼ばれる神女に生まれ変わった島出身の女性によって、男兄弟・家や村の繁栄と安全が守られてきました。
島全体がひとつの字となっている久高島では、土地は字の共有財産であり、個人には使用権が与えられているのだそうです。
久高島の人々にとっては土地を所有するという概念は無く、この自然と伝統文化が今も残っているのは、土地という媒体を通じて外部からの資本の流入が行われることなく今日まできたことが大きな理由になるのでしょう。
イラブーの燻製小屋や美しく積み上げられた石塀などを見て回りました。
ごみひとつ落ちていないのは、島全体が聖地という人々の意識の表れでしょうか。
過ごしやすいこの季節に訪れた久高島は、自転車ですれ違った土地の中年の女性の表情も柔らかく、「こんにちは」と交わした挨拶も耳慣れたものでした。
やはりあの原風景のようなシーンは、島のお年寄りだけに作り出せる、そしてやがては時の流れとともに消えていってしまうものだったのかもしれません。
生まれた土地で環境に順応して暮らし、他の場所のことは考えない。
そんな人々の生きた時代がやがて遠い過去の事になってしまうことが、とても惜しいような気がしてなりません。
前回この島を訪れたとき、魚汁を食べました。
港の隣の食堂でメニューに「魚汁」とあったのを見て、「どんなものだろうか、おいしそうだなぁ」と思わず注文してみました。
料理の名前からはどんなものか想像がつきません。
ビールを飲みながら待っていると、「お待ちどうさま」とでてきた器を見て、どひゃーでした。
あとは想像におまかせします。
今回は時間がなくて食べれませんでした。
by junko73oz
| 2008-04-17 20:57
| 08・春・沖縄で・・・
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by junko73oz
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