文楽12月公演 其の壱
日曜日は文楽三昧の一日でした。
午前の部「文楽鑑賞教室」に続いて、午後の部「源平布引滝」を一気に鑑賞しましたが、公演の始まる前に、舞台裏を見学させていただく楽しいイベントもありました。
私の文楽入門の手ほどきをしてくださっている方のお口利きで、普段はなかなか見ることのない舞台裏や楽屋などを、吉田簔助さんご門下の簔二郎さんにご案内いただきました。
まずは楽屋口。出演者は楽屋入りするときに名札をひっくり返して所在を明らかにします。
人形を遣われる方は、人形の舞台の高さにあわせるためにこの下駄を履くことで身長を調節します。
板張りの舞台で下駄の音が響かないようにするためと、滑りをよくして動きやすくするために、下駄の底には草鞋が履かされています。
舞台裏では、大道具の準備がされています。
この船は、「源平布引滝」の竹生島遊覧の段に登場しました。
「二人三番叟」の舞台が出来上がっていますが、舞台の配置について説明をしていただきました。
ふと舞台の床を見ると、大道具の設置位置がテープで記されています。
公演の最中での舞台の素早い設置替えには、一目でわかるこの目安が大切なのでしょう。
簔二郎さんが実際に遣われるお人形で、動きの仕組みなどを解説してくださいました。
このお人形は、「艶姿女舞衣」のお園さんです。
簔助さんがご病気回復で舞台復帰されたときの最初の舞台が、「艶姿女舞衣」のお園さんで、このお人形だったそうです。大阪公演では3日間、東京公演では公演中ずっと、簔助さんが演じていらっしゃる間中、拍手が鳴り止まなかったのだそうです。
簔助さんは地元大阪のファンの声援はもとよりですが、東京のファンの温かい声援にも大変喜んでいらしたそうです。
実際に3人の希望者がお人形の主遣い、左手、足を担当して動かし方を体験しました。
お園さんは、一番軽いほうのお人形だそうですが、実際に動かしてみるととても重くて、みなさんすぐに腕が疲れてしまわれたそうです。
お園さんのお顔のアップですが、口元に金属の針のようなものが写っているのがお分かりでしょうか?
この針は女性の顔だけについているもので、悔し泣きなどの所作で、袖口をここに引っ掛けて口に噛んでいるように見せるための工夫だそうです。
女性のお人形には足がありません。
足遣いの人が、着物の中から握りこぶしでひざを作って、足があるように見せます。
膝が上すぎても下になってもおかしいので、しゃがみこんだ姿勢で後ろから足らしく見せる技術も大変なものと思いますが、まず足を使うのが人形遣いのはじめなのだそうで、つくづく奥の深い芸だなぁと、感心しました。
これは、太夫と三味線の方が義太夫を演奏する「床」(ゆか)という舞台右手脇にある演奏席の裏側です。
舞台の両脇には、黒地に二つの紋を染め抜く幕「小幕(こまく)」があります。
この黒い幕は視角から外れた場所ということで、つまりここは「何も無い」という設定になっているのです。
上手の揚幕には、竹本座の座紋と豊竹座の座紋が染め抜かれています。
これも舞台裏側から見たところです。
出演者はここで気持ちから役柄になりきって、幕を抜けて芝居の世界へ入っていくのでしょうか。
暖簾の間からふとのぞいてみると、沢山のお人形が衣装を着けて準備万端、出を待っていました。
太夫や三味線方、そして人形遣いの方たちとともに常に巡業を共にしてきた行李は、年季が入って貫禄です。
こんな風に、文楽の舞台裏の様子をいろいろと見せていただき本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。
ご案内くださった吉田簔二郎さんは、お話もお上手で終始興味深い話題を提供してくださり、見学者一同は大満足で、見学ツアーを終えました。
ここで簔二郎さんとはお別れし、そろそろ始まる12月公演・午前の部の開幕を劇場に移って待ちました。
午前の部「文楽鑑賞教室」に続いて、午後の部「源平布引滝」を一気に鑑賞しましたが、公演の始まる前に、舞台裏を見学させていただく楽しいイベントもありました。
私の文楽入門の手ほどきをしてくださっている方のお口利きで、普段はなかなか見ることのない舞台裏や楽屋などを、吉田簔助さんご門下の簔二郎さんにご案内いただきました。
まずは楽屋口。出演者は楽屋入りするときに名札をひっくり返して所在を明らかにします。
人形を遣われる方は、人形の舞台の高さにあわせるためにこの下駄を履くことで身長を調節します。
板張りの舞台で下駄の音が響かないようにするためと、滑りをよくして動きやすくするために、下駄の底には草鞋が履かされています。
舞台裏では、大道具の準備がされています。
この船は、「源平布引滝」の竹生島遊覧の段に登場しました。
「二人三番叟」の舞台が出来上がっていますが、舞台の配置について説明をしていただきました。
ふと舞台の床を見ると、大道具の設置位置がテープで記されています。
公演の最中での舞台の素早い設置替えには、一目でわかるこの目安が大切なのでしょう。
簔二郎さんが実際に遣われるお人形で、動きの仕組みなどを解説してくださいました。
このお人形は、「艶姿女舞衣」のお園さんです。
簔助さんがご病気回復で舞台復帰されたときの最初の舞台が、「艶姿女舞衣」のお園さんで、このお人形だったそうです。大阪公演では3日間、東京公演では公演中ずっと、簔助さんが演じていらっしゃる間中、拍手が鳴り止まなかったのだそうです。
簔助さんは地元大阪のファンの声援はもとよりですが、東京のファンの温かい声援にも大変喜んでいらしたそうです。
実際に3人の希望者がお人形の主遣い、左手、足を担当して動かし方を体験しました。
お園さんは、一番軽いほうのお人形だそうですが、実際に動かしてみるととても重くて、みなさんすぐに腕が疲れてしまわれたそうです。
お園さんのお顔のアップですが、口元に金属の針のようなものが写っているのがお分かりでしょうか?
この針は女性の顔だけについているもので、悔し泣きなどの所作で、袖口をここに引っ掛けて口に噛んでいるように見せるための工夫だそうです。
女性のお人形には足がありません。
足遣いの人が、着物の中から握りこぶしでひざを作って、足があるように見せます。
膝が上すぎても下になってもおかしいので、しゃがみこんだ姿勢で後ろから足らしく見せる技術も大変なものと思いますが、まず足を使うのが人形遣いのはじめなのだそうで、つくづく奥の深い芸だなぁと、感心しました。
これは、太夫と三味線の方が義太夫を演奏する「床」(ゆか)という舞台右手脇にある演奏席の裏側です。
舞台の両脇には、黒地に二つの紋を染め抜く幕「小幕(こまく)」があります。
この黒い幕は視角から外れた場所ということで、つまりここは「何も無い」という設定になっているのです。
上手の揚幕には、竹本座の座紋と豊竹座の座紋が染め抜かれています。
これも舞台裏側から見たところです。
出演者はここで気持ちから役柄になりきって、幕を抜けて芝居の世界へ入っていくのでしょうか。
暖簾の間からふとのぞいてみると、沢山のお人形が衣装を着けて準備万端、出を待っていました。
太夫や三味線方、そして人形遣いの方たちとともに常に巡業を共にしてきた行李は、年季が入って貫禄です。
こんな風に、文楽の舞台裏の様子をいろいろと見せていただき本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。
ご案内くださった吉田簔二郎さんは、お話もお上手で終始興味深い話題を提供してくださり、見学者一同は大満足で、見学ツアーを終えました。
ここで簔二郎さんとはお別れし、そろそろ始まる12月公演・午前の部の開幕を劇場に移って待ちました。
by junko73oz
| 2008-12-08 23:19
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by junko73oz
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